コバ処理

革の「コバ」の意味とは?コバ処理の種類や補修・手入れ方法について

コバ 革

CRAFSTOの財布コレクション一覧

革製品には必ずある「コバ」という部分をご存じでしょうか?

コバに着目をすると、今後の革製品選びがより一層楽しくなるかもしれません。

この記事では、革製品のクオリティを大きく左右するコバ処理や、コバの補修やお手入れ方法などについてご紹介します。

コバとは?

コバ

コバとは革の裁断面のことを言います。または「ヘリ」とよぶことも。 漢字では「木端」と書き、文字通り木材の裁断面を意味する言葉でした。英語では「edge」と言います。

断面であるコバがきれいに処理されていると、製品全体が美しく見えます。反対にコバが切りっぱなしの状態だと、毛羽立ってすぐにボロボロになってしまいます。

コバ処理が重要な理由

あえて、コバ処理をしない革製品もありますが、そうすると使っていくうちにコバが毛羽立っていきます。また何枚も革を重ねたものは、接着剤が弱まって革同士が剥がれてきたり、ひび割れたりします。加えて、処理されていないコバは色が薄いため、使ううちに摩擦や傷で黒ずんでいきます。

コバ処理の種類

コバ処理

コバ処理は製品や用途に合わせて、いくつかの方法があります。主な方法は「ヘリ返し」と「切り目製法」の2種類です。それぞれご紹介します。

へり返し

「ヘリ返し」とは、外側の革のふち(ヘリ)を数ミリ長めに重ねて、内側の革のコバを包み込むように覆いかぶせて接着する処理方法です。外側の革を折り返すことでコバがすべて隠れるため、見た目がすっきりして美しくみえます。

ふちだけを重ねているので、革全体の厚みが出ず、薄く仕上げられます。ちなみに、コバの角をそぎ落として丸くする処理方法は、ヘリ返しと区別して「ヘリ落とし」と呼ばれます。

切り目製法

切り目製法では、複数枚の革を重ねて縫い合わせます。コバに塗料をつけたりニスで磨いたりして、切断面を美しく加工します。さらに、切り目製法は「生成り仕上げ」「切り目本磨き」「コバ塗り仕上げ」の3つに分けられます。

生成り仕上げ

「生成り仕上げ」は、革本来のナチュラルな風合いを残す方法です。 コバに着色やワックスなどを施さず、革を切り落として、軽くヤスリをかけただけの状態にします。

革本来の生成がかった色合いが残り、見た目はナチュラルな印象です。しかし特に加工を行っていないので、使い続けるうちにコバが劣化する可能性があります。

切り目本磨き

コバの表面がフラットになるようにヤスリなどで削り、その後、布海苔(ふのり)を塗布して乾燥させ、布で磨き上げます。

こうすることでマットな色合いになり、スムーズでなめらかな触り心地になります。切り目本磨きは手間と時間がかかる方法で、職人の繊細な技術力が問われます。

コバ塗り仕上げ

ニスでツヤを出したり、顔料や塗料で色付けしたりする方法です。

コバ塗り仕上げをすることで、ツヤが出て手触りはなめらかに、色合いは鮮やかとなって美しさが増します。財布や小銭入れだけではなく、ランドセルでもコバ塗り仕上げが用いられることがあります。

コバの補修・お手入れ方法

コバ お手入れ

コバは繊細で傷みやすい箇所です。痛みが気になり始めたら、長く使い続けられるように、補修・お手入れをしましょう。

剥がれ・削れ・ひび割れが目立ったら

コバに剥がれ、削れ、ひび割れなどが出てきたら、コバ用の溶剤をつけて補強します。綿棒の先に溶剤をつけて、補修したい部分を中心に薄く伸ばしていきましょう。コバ用の溶剤にはさまざまな種類があります。製品に使われている溶剤と同じものを塗らないと風合いが変わってしまうので注意が必要です。革製品を購入したメーカーに、どの溶剤を使用しているか問い合わせてみてください。

毛羽立ちが出てきたら

コバの毛羽立ちが目立つようになったら、革用のヤスリで軽く削ります。もし色落ちも気になるようなら、先に革用の染料で補色します(次の「色落ちしてきたら」を参照)。そのあとに、軽くスライドして削るようなイメージで、毛羽立ちした箇所を中心にヤスリをかけましょう。仕上げにコバ専用の溶剤を塗り、乾く前に布で磨いたら完了です。

色落ちしてきたら

コバ塗り仕上げでコバに色を塗っている場合、時間の経過と共に色が落ちることがあります。その際は、綿棒の先に少量の染料をつけて、色褪せたコバの部分を中心に、薄く伸ばして補色しましょう。

CRAFSTOが提供する革製品について

CRAFSTOではオリジナルの革製品を展開しています。コバまで美しく仕上げた革製品をぜひお試しください。

Bridle Leather ブライドルレザー ラウンドファスナー長財布

英国生まれの美しい牛革、「ブライドルレザー」をぜい沢に使用した長財布です。 ブライドルレザーの特徴でもある表面に塗られたロウは、最初は白っぽい状態ですが、使い続けるうちに薄まって革本来の色味が表れます。まるで雪が溶けていくような美しい経年変化はブライドルレザーならでは。

長く使い続けられるよう、コバを含め、細部まで補強した作りになっています。誰かの記念の品に、プレゼントに、自分のご褒美に。

ブライドルレザー ラウンドファスナー長財布

Shell Cordovan シェルコードバン L字ファスナー財布

深いツヤと、しっとりとしたオイルの質感が魅力のシェルコードバンを使ったL字ファスナー財布です

本体はコンパクトであるものの、L字ファスナーで大きく開口し、内側にはポケットも充実していて収納も抜群。お札やカード類や小銭などをスマートに持ち歩けます。

また、シンプルな見た目ながらも、革の断面を丁寧に揃えた繊細かつ丁寧なコバ処理、繰り返しの開閉に耐えられる独自の補強を施しています。

シェルコードバン L字ファスナー財布


Related Products

シェルコードバン 長財布

シェルコードバン ラウンドファスナー長財布

シェルコードバン フラグメントケース【5Pockets】

シェルコードバン マネークリップ

シェルコードバン 二つ折り財布

シェルコードバン L字ファスナー財布

ブライドルレザー ネックウォレット

【予約販売】ブライドルレザー ウォレットバッグ


Related Blog


2023/02/18

ブライドルレザーとコードバンの違いとは?メリットとデメリットを徹底比較

ブライドルレザーは牛革で、耐久性に優れており、型崩れしにくく、表面にブルームが浮き出ているのが特徴です。一方、コードバンは馬革で、革の表面がつるんとしています。

2022/12/11

コードホルダー(イヤホンホルダー)とは?使い方や選び方について

コードホルダーとは、イヤホンや携帯電話の充電器のコードを収納するアイテムです。コードホルダーがあれば、コードの絡まりや紛失を防ぎながら必要なときにサッと取り出せます。

2022/10/08

今使っている財布は何年使う?寿命と買い替え時期について【長持ちするメンテナンス】

本革の財布の寿命は5~10年が目安、一方で合成皮革は2年ほどです。ただし、水濡れを放置したり荒い使い方をしたりすると、早いうちから劣化が進むため注意が必要です。