革のダイヤモンド、コードバンとは?お手入れ方法と経年変化について

「革のダイヤモンド」や「キングオブレザー」と呼ばれ、最高級の馬革と称されるコードバン。ブライドルレザー、イタリアンレザーと並び、世界三大レザーのひとつに数えられています。本記事では、多くの革ファンを虜にしてきたコードバンの魅力について迫ります。

コードバンとは?

農耕馬の臀部から採取されるレザーです。ただ、臀部の皮であれば良いわけではなく、臀部のなかにある厚さわずか2mmほどのコラーゲン繊維層「コードバン層」を削り出して作られます。

近年は、農耕馬の生産は少ないうえに、コードバンは一頭あたりからほんの少ししか取れない希少部位のため、値段も非常に高価です。

さらにその薄い部分を慎重に削り出す作業は、まるで鉱山の中からダイヤモンドを削り出す工程に似ています。「革のダイヤモンド」たる所以は、表面の輝きはもちろん、この繊細な製造工程にもあるのです。

コードバンのタンナー

コードバンを製造しているタンナーは数が限られています。日常的に食べられている牛とは違い、馬はそもそも食べる文化が少なく、コードバンの原皮となる馬革自体が貴重だからです。

数少ないコードバンのタンナーで特に有名なのは、シカゴで1905年に創業し、実に100年以上にわたって革を作り続けている老舗タンナーのホーウィン社(Horween Leather Company)と、姫路の新喜皮革(しんきひかく)の2社です。

 

コードバンの特徴

コードバンの特徴は何といっても革表面の艶をもつ美しさです。人間の肌でも、キメが整っていて美しいという表現がありますが、コードバンはまさにそのような革です。コードバンの表面は革独自のシワがなく、キメが細かくつるんとしたなめらかさを持ち、キラキラと光を反射する水面のような輝きは、人の目を惹きつけます。

また、コードバンは非常に頑丈で牛革の3倍の強度を持つといわれています。しなやかで耐久性のあるコードバンは、永く使うのにぴったりの革素材です。
ただし、水に非常に弱く、雨に濡れたり、飲み物をこぼしたりすると、革内部に水分が浸透してしまい、シミや水ぶくれの原因になることがあります。

 

コードバンの経年変化

革製品を持つ楽しみのひとつに経年変化があります。永く使うほど、革に浸透したオイルの変化や日焼けによる色あせなどで、どんどん色や質感が変化します。 コードバンも然りで、使う年月によって経年変化を楽しむことができます。表面がつるんとスムーズなコードバンは、細かい傷が付きやすいですが、その傷も魅力的なエイジングとなります。傷ひとつない美しい新品も良いですが、毎日使い込んで傷だらけになったコードバンは、世界にひとつのあなただけのオリジナルです。

 

コードバンの種類

ひとえにコードバンといっても、製法や特徴でさまざまな種類が存在します。

水染めコードバン

水染めコードバンは、別名「アニリン染めコードバン」と呼ばれます。アニリンとは合成塗料の一種で、顔料のように革表面をしっかり色付けするのではなく、透明感のある仕上がりになるのが特徴です。革本来の質感や模様などを損なうことなく、自然な艶を出します。 この水染めコードバンは、水にとても弱く、濡れたまま放置するとシミや水ぶくれになってしまうことも。濡れたときはすぐに水分を拭きとりましょう。

蝋引きコードバン

蝋引きコードバンの最大の特徴は撥水性です。通常のコードバンは、他の革と同じく非常に水に弱い性質があります。しかし蝋引きコードバンは、製造過程でコードバンの表面を天然の蜜蝋でコーティングするため、水分を弾きます。蝋引きコードバンの革表面には、白い粉のようなものが出ることがあります。これは、グリース成分が凝固化したものでブルームと呼びます。ブルームは革製品を使い続けるうちに自然に溶けて消えていきます。

顔料染めコードバン

顔料で色付けされたコードバンです。顔料は人工的な色材のことで、定着剤によって革表面に定着します。革内部に染み込んで色付けする染料よりも、ビビッドな発色に仕上がります。
顔料でコーティングされたコードバンは水濡れなどに強く耐久性があります。この特性を活かし、ランドセルにも使用されています。一方、革本来のシワややわらかい質感はあまりなく、ペンキを均一に塗ったような人工的な仕上がりになります。

オイルコードバン

コードバンのなかでも、もっとも流通しているのがオイルコードバンです。革の強度を高めるために、革内部までしっかりとオイルを浸透させています。オイルコードバンの魅力は、より深い経年変化を楽しめることです。日々使ううちに革表面に塗られたオイルが深くまで浸透し、絶妙な色合いや質感の移り変わりを楽しめます。耐久性も高いため、革靴や腕時計のベルトなどにも使われます。

シェルコードバン

シカゴの老舗タンナーのホーウィン社(Horween Leather Company)が開発し、商標登録しているのが「シェルコードバン」です。化学薬品を使わず、ベジタブルタンニンのみでなめした馬革に、通常よりもじっくりと丁寧にオイルを浸透させていきます。たっぷりと浸み込んだオイルにより、しっとりとしたやわらかさと格別の経年変化を楽しむことができます。

 

コードバンのお手入れ方法

コードバン製品を永く使うためにもお手入れは欠かせません。まず普段のお手入れは、革表面のほこりや汚れを軽く落とすだけで十分です。化学繊維ではなく、できれば綿100%のやわらかい布(シーツやTシャツの切れ端などでもOK)や、メガネ拭きのようなクロスで革表面をさっと乾拭きします。

もし革表面の乾燥が気になったら、クリームを使用しましょう。その際、通常の革用クリームやワックスを使うと、逆に革表面が曇ってしまい艶感が落ちてしまうこともあるので注意が必要です。また、汚れ落とし成分が入っているものは避けてください。

使うクリームやワックスはほんの少量でOKです。少しだけ乾いた布の先につけて、革表面全体に薄く塗り込みます。初めてお手入れするさいは、製品の目立たない部分に少しだけクリームやワックスをつけて、変色やシミなどが残らないかを確認してから使いましょう。

 

まとめ

奥深いコードバンの世界、いかがでしたか?ダイヤモンドは一生ものとよくいわれますが、コードバンもお手入れをして大切に使い込めば、永く使い続けることができます。匠の技によって丹精込めて作られたコードバン製品を、ぜひ愛用してみませんか。

弊社では、ホーウィン社のシェルコードバンを使用したこだわりの製品を多数揃えております。
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