オイルレザーとは|経年変化(エイジング)やお手入れ方法について

オイルレザーとは|経年変化(エイジング)やお手入れ方法について

CRAFSTOのオイルレザー製品一覧

CRAFSTOのオイルレザー製品一覧

革製品を使う楽しみのひとつに、革独自の手触りの良さがあります。しっとりとなめらかで上質なツヤがある革製品は、使うたびにうれしくなりますよね。今回は、やわらかくツヤが美しい「オイルレザー」をご紹介します。

オイルレザーとは?

オイルレザーとは、なめす際にしっかりとオイルを染み込ませて作られた革のことです。オイルドレザーとも。代表的なものに「コードバン」「バケッタレザー」などがあります。

一般的に、レザーは柔軟性やツヤを出すため製造工程で加脂されます。オイルレザーは通常よりも多くのオイルを染み込ませているため、さらに油分が多いのが特徴です。

オイルレザーのなめし(鞣し)とは

なめしには、植物性タンニンを使う「タンニンなめし」と、化学薬品を使う「クロムなめし」の2種類があります。オイルレザーは前者のタンニンなめしが多いですが、クロムなめしのオイルレザーもあるようです。

タンニンなめしでは、ミモザやチェスナッツなどの樹脂皮から抽出した天然の液体を使います。時間をかけてじっくりとなめした革に、丁寧にオイルを染み込ませます。オイルを多く含ませることで、しっとりと手に吸いつくような手触りと、うるおいのあるツヤが生まれます。

オイルレザーの種類「プルアップレザー」について

オイルレザーの一種に「プルアップレザー(Pull up leather)」があります。プルアップレザーは、一般的なオイルレザーよりもさらに多くのオイルを染み込ませて作られたレザーです。

革の芯までオイルが浸透しているため、革表面を指で押したり革を折り曲げたりすると、革内部の油分が繊維の中を移動し、その部分だけ色が薄くなります。この現象を「Pull up(プルアップ)」と呼びます。

プルアップレザーの特徴

深く染み込んだ多量のオイルは、革の耐久性を強化します。また傷がついてもオイルでコーティングされているため、傷が目立たないのもメリットです。

さらにプルアップレザーは撥水性が高いです。しかし、濡れたまま放置すると他のレザー同様に水シミになる可能性があるので、濡れたら乾いた布でやさしく拭いてください。

オイルレザーとヌメ革の違い

オイルレザーもヌメ革も、植物性タンニンでなめされていますが、ヌメ革はなめすだけで、オイルも塗装せず、着色加工もしません。そのため、革本来の自然な色味と風合いが楽しめます。表面はマットな質感で、最初は白っぽい生成色です。使い続けるうちに革の色味が深く濃い色になり、きれいなエイジングを楽しめます。

一方オイルレザーは、なめしたあとにオイルを染み込ませます。そのため表面はしっとりと美しいツヤがあります。こちらはヌメ革と比較すると黒っぽく深みのあるエイジングになります。

オイルレザーの特徴

オイルレザーの特徴は、なんといってもしっとりとした感触と、深みのある光沢です。また、多量の油分を含ませていることで、他の革と比べて耐久性が高いです。その特性を活かして財布だけでなく、一定の強度を求められる登山靴やかばんなどの素材にも使われています。

オイルレザーの経年変化/エイジング

革は、使い続けるうちに手アカや摩擦によって染料があせます。また、革内部のタンニンが日光に当たり酸化することで経年変化を起こします。オイルを多く含むオイルレザーは、それだけ深い経年変化を起こしやすくなります。浸透したオイルが徐々に溶けだすことで、革は少しずつやわらかくなります。最初は固い革も手になじむようになり、心地良い感触が生まれます。

オイルレザーのお手入れ方法

オイルレザーは一般的な革に比べて油分が多いため、表面にほこりがつきやすいです。ほこりが気になったら、お手入れ用のブラシで表面をはらいましょう。特に、毛質がやわらかく革を傷つけない馬毛ブラシがおすすめです。

ほこりを放置してしまうと、ほこりが革の油分を吸って乾燥が進行したり、カビが生えやすくなったりしてしまいます。できるだけ定期的にブラッシングを行いましょう。

革がぱさついてきた

革のパサつきが気になったら保湿をしましょう。ブラッシングで表面のほこりをはらったあと、専用のクリーナーで汚れを落とします。やわらかい布の先に少しだけクリーナーをつけて、革全体にやさしく塗り込みましょう。クリーナーの量が多いとシミになってしまうこともあるので注意しましょう。

クリーナーで汚れが落ちたら、革用のクリームかオイルをやわらかい布もしくはスポンジにつけて革表面に塗ります。塗り方に偏りがあると色ムラになりやすいため、均一に塗るのがポイントです。

塗るものはオイルレザー専用のクリームや固形ワックス、乾燥が目立つようであればミンクオイルもおすすめです。ミンクオイルは特に油分の補給能力が高く、しっかりとうるおいを与えてくれます。ただし、頻繁に塗りすぎると油分が多量に入り柔らかくなりすぎてしまうため、注意が必要です。また、においが少し強めなので人によっては好みが分かれるかもしれません。

最後に馬毛ブラシでブラッシングし、乾いた布で表面を拭きとりツヤを出して完成です。手間がかかり面倒ですが、しっかり汚れを落とし加脂することで、驚くほど美しく長持ちします。

CRAFSTOが提供するオイルレザー商品

最後に、CRAFSTOが提供するオイルレザー製品をいくつかご紹介します。

Bridle Leather ブライドルレザー ラウンドファスナー長財布

財布の外側に使われているのは、イギリス生まれの高級牛革「ブライドルレザー」。もともと手綱など馬具のために作られていた歴史もあり、耐久性が高いです。特徴は、強度を増すために革表面に塗りこまれた白いロウ。「ブルーム」と呼ばれるこのロウは、財布を使い続けるうちに次第に薄くなり、革本来の色味が出てきます。内側には発色豊かなオイルレザー「ブルガロ」を使用し、ブライドルレザーとのコントラストが美しい長財布です。

Shell Cordovan シェルコードバン L字ファスナー財布

オイルレザー L字ファスナー財布

米国の老舗タンナー「ホーウィン社」の商標であるシェルコードバンは、じっくりと手間ひまかけてオイルを染み込ませた非常に美しい高級革です。表面のシェルコードバンと内側のブルガロ、2種類のオイルレザーを楽しめる贅沢なL字ファスナー財布です。

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Bridle Leather ブライドルレザー 二つ折り財布

オイルレザー 二つ折り財布

使っていくと、どうしても摩耗しやすい折り目部分は、強度を持たせるよう工夫されています。また、カードホルダー4枚に加えて2つのフリーポケットも設置しており、コンパクトな本体からは想像できない収納力を誇ります。じっくりと長く使い続けたい方におすすめしたい二つ折り財布です。

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