革を作る工程で欠かせない鞣し(なめし)とは?特徴や種類を解説

革を作る工程で欠かせない鞣し(なめし)とは?特徴や種類を解説

革の製造で不可欠な製法が「鞣し(なめし)」。「革を柔らかくする」と書く鞣しは、一体どのような作業なのでしょうか。

今回は、革好きの方々にあらためて知っていただきたい、鞣しについてご紹介します。

鞣し(なめし)とは?

鞣しとは、植物タンニンや薬品を使って、腐敗の原因である脂肪分などを除去し、耐久性や柔軟性を強化する製法です。動物から採取された原皮は、腐敗するのを防ぐために塩漬けや乾燥処理を施しますが、このままだと、硬すぎてバッグや財布などの製品としては利用できません。

そこで必要なのが鞣しです。硬かった皮はやわらかくなり、腐敗しにくくなります。こうしてできたものを「革」と呼びます。

鞣し(なめし)の歴史

人と革の歴史は非常に長く、旧石器時代に始まったと言われています。この頃はまだ布がなく、寒さや衝撃から身体を保護するために、動物の皮を乾燥させたものを身に着けていたそうです。

次第に乾燥させた皮に動物や魚から採れる油脂を加えて、皮の繊維をやわらかくする方法が生まれました。これを「油鞣し」と呼び、ここから鞣しの歴史が始まったと言われています。

そのあとに草や木の汁を使って鞣すようになり、植物性タンニンを使用した「タンニン鞣し」が生まれました。紀元前600年頃には、地中海沿岸近辺で行われていたそうです。

皮と革の違い

前述のとおり、皮(原皮)と革の違いは鞣されているかどうかです。加工をしていないものを「皮」、鞣したものを「革」と区別します。

鞣し(なめし)の種類

鞣しは、大きく「タンニン鞣し」「クロム鞣し」「コンビネーション鞣し(混合鞣し)」「アルデヒド鞣し」の4つに分かれます。

タンニン鞣し(なめし)

もっとも古い鞣しで、古代エジプト時代から行われている製法です。大きな特徴は、植物性のタンニンを使うことです。使われる素材は、ミモザから抽出されるワットルエキス、アメリカチェストナットから抽出されるアメリカチェストナットエキス、南米のケブラチョから抽出したケブラチョエキスなどが代表的です。

このタンニン鞣しは非常に時間のかかる作業で、2~5ヶ月かかることもあります。長い時間かけてじっくり丁寧にタンニンで鞣された革は、とてもやわらかくなめらかになります。

タンニン鞣しの特徴は経年変化です。使い込むうちに色が深くなり、味が出てきますが、定期的なメンテナンスをしないと劣化が進んでしまいます。

クロム鞣し(なめし)

化学薬品の塩基性硫酸クロムを使って原皮を鞣す方法です。この方法はおよそ100年前にドイツで発明され、今や流通している革のほとんどがクロム鞣しで作られています。

クロム鞣しが一般的になったのは、前述のタンニン鞣しに比べてはるかに簡単なためです。数ヶ月かかるタンニン鞣しと違い、クロム鞣しは1~5日ほどで済みます。

クロム鞣しで作られた革は、柔らかさもありながら耐久性が高いため、さまざまな革製品に使われます。靴や財布などの小物類はもちろん、革張りのソファなどにも使われます。

コンビネーション鞣し(混合鞣し)

コンビネーション鞣しとは、異なる2つの鞣しの方法を組み合わせることです。利点は、両者のメリットを得られる点です。

基本的にはタンニン鞣しとクロム鞣しの組み合わせが多いです。クロム鞣しを施した革を、さらにタンニンで鞣します。

タンニン鞣しの特徴である美しい経年変化に、クロム鞣しの耐熱性や耐久性といったメリットも得られます。

アルデヒド鞣し(なめし)

アルデヒド化合物を使った鞣し方法です。ホルムアルデヒドやグルタルアルデヒドなどを使います。アルデヒドの成分が原皮中のタンパク質に作用して、化学反応によってタンパク質が安定しやわらかくなります。クロム鞣しに比べると耐熱性は低くなります。

環境保護の観点により、今後は「タンニン鞣し」が主流に

クロム鞣しで使われる塩基性硫酸クロムは熱が加わると化学反応が起こり、六価クロムと呼ばれる毒性の強い成分へ変化します。鞣す際には、大量のクロムの排水が出るため、水質汚染の原因になるとして問題視されています。

SDGsが声高に掲げられている昨今、水や空気などの環境配慮は大きな課題となっています。その観点からも、これからは自然環境への負荷が少ないタンニン鞣しをした革の流通がメジャーになるかもしれません。

タンニン鞣しで作られているCRAFSTOの製品

CRAFSTOではタンニン鞣し革を使った製品を多数取り揃えています。おすすめ製品をいくつかご紹介します。

BRIDLE LEATHER ブライドルレザー キーケース

ブライドルレザーは、イギリスを発祥とする革で、もともと馬具のために作られました。

時間をかけてタンニンで鞣したブライドルレザーはしなやかで丈夫。さらに表面にはブルームと呼ばれる白いロウが浮き上がっています。ブルームは使っていくうちに少しずつ薄くなり、ツヤが出てきます。この独自の経年変化がブライドルレザーの魅力です。

さらに内側には、革の名産地イタリアで、タンニン鞣しの御三家にも数えられている名タンナー「Lo Stivale(ロ・スティヴァーレ)社」が作るブルガロを使用。

三つ折りのキーケースの内部には6つのフックが付いており、複数の鍵を収納できます。また、負荷がかかりやすい折りたたみ部分も補強されており、長くつかうための設計が施されています。

キーケース ブライドルレザー

中:英国製ブライドルレザー ガジェットポーチ

近年のリモートワークの需要増に伴い、じわじわと人気が高まっていのがガジェットポーチです。

本体にはブライドルレザーを使用。デスクの上に置いておくだけで映えるアクセントに。

表と裏に、それぞれ深型と浅型の2つの収納箇所があり、用途に応じて使い分けることができます。深型には厚みのある充電器やモバイルバッテリーを、浅型にはケーブルやイヤホンを収納できます。

同じくブライドルレザーを使用したコードホルダーも2つ付属しており、細部にまでわたり、大人な風格を演出してくれるアイテムです。

ブライドルレザー ガジェットポーチ

英国製ブライドルレザー ガジェットポーチ

中:NEBRASKA ネブラスカ L字ファスナー財布

ブルガロと同じLo Stivale(ロ・スティヴァーレ)社が作るネブラスカを使用したL字ファスナーです。

ネブラスカは、革表面をキュッと収縮させて、独特のシボを施したシュリンクレザーで、触れると密度高く、もちっとした感触が特徴。やわらく心地が良い革です。

そのネブラスカを表面に使用した財布は、触り心地の良さはもちろん、片手に収まる使いやすいサイズ感も魅力です。コンパクトながらL字ファスナーが大きく開き、中にはカードホルダーやフリーポケットも配置。たくさん収納しても全体が見渡しやすく、使い勝手の良い財布です。

ネブラスカ L字ファスナー


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