SDGsやサステナビリティなどの世界的な広がりとともに、注目されているのがエシカルファッション。エシカルファッションとは、人や地球環境に配慮し、生産・流通・販売されているファッションのことをいいます。本記事では、エシカルファッションの概要と取り組み例についてご紹介します。
エシカルファッションとは?
エシカルファッションとは、「倫理的な、道徳上の」という意味をもつ「ethical(エシカル)」と「fashion(ファッション)」を組み合わせた造語です。素材開発、生産、流通、廃棄に至る全てのプロセスにおいて、人や地球環境に配慮されて作られた倫理的なファッションの総称を指します。
エシカル消費について
エシカル消費とは、2015年頃から消費者庁が普及・啓発している考え方で、地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費活動のこと。倫理的消費とも。SDGs目標12の「つくる責任、つかう責任」を満たす取り組みとして、さまざまな企業や団体で取り入れられています。
エシカルファッションとサステナブルファッションの違い
エシカルファッションと似た言葉にサステナブルファッションがあります。「地球環境や人に配慮したファッション」という点では共通していますが、サステナブルファッションは、持続可能かどうかが重要視されます。
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エシカルファッションとスローファッションの違い
スローファッションとはファストファッションの反対語で、1つのファッションアイテムをなるべく長く使うあり方・価値観を指します。
人や環境へ配慮する点においてはエシカルファッションと似ていますが、スローファッションは質の高い製品を作り、生産量を減らすことで過剰在庫や大量廃棄などの問題を解消することに重点をおいています。
エシカルファッションの基準・定義
2006年にイギリスで設立されたエシカルファッション推進団体「Ethical Fashion Forum(EFF)」は、10つの基準でエシカルファッションの定義付けを行っています(意訳)。- 安くて使い捨てられるファッションに反対する|Countering fast, cheap fashion and damaging patterns of fashion consumption
- 労働者の賃金・働く環境・権利を守る|Defending fair wages, working conditions and workers’ rights
- 持続可能な暮らしを支援する|Supporting sustainable livelihoods
- 有毒な殺虫剤や化学物質の問題に取り組む|Addressing toxic pesticide and chemical use
- 環境に優しい素材や成分を使用・開発する|Using and / or developing eco- friendly fabrics and components
- 水の使用量を減らす|Minimizing water use
- エネルギーやゴミをリサイクルしている|Recycling and addressing energy efficiency and waste
- ファッションに対する持続可能性について開発し広げていく|Developing or promoting sustainability standards for fashion
- 人々に取り組みを知らせ、解決策を広めようとしている|Resources, training and/ or awareness raising initiatives
- 動物の権利を守る|Animal rights
エシカルファッションの取り組み例
では、具体的にどのような取り組みがエシカルファッションにカテゴライズされるのでしょうか。ここでは、その一例をご紹介します。
ソーシャルグッド
ソーシャルグッドとは、名称のとおり「社会(social)」に「良い(good)」影響を与える製品や活動のこと。ソーシャルグッドに明確な定義はありませんが、特定の企業や人ではなく、社会全体に対して貢献度が高いことが重要視されます。
アップサイクル
アップサイクルとは、本来であれば廃棄物として捨てられるものに新しい付加価値を付けて、全く別の新たな製品へとアップグレードする取り組みのことをいいます。廃棄物を分解・粉砕せずに、そのままの形で新しい製品に変えるのが特徴です。
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アニマルフリー
「アニマルフリー」とは、製品開発のプロセスで動物実験や、動物性の素材を一切使わない製品の総称をいいます。ヴィーガンレザー(合皮・植物由来)やカポックダウンなどが挙げられます。
ヴィーガンレザーには主に2種類あり、ポリウレタンやプラスチックなどを使った合成皮革(合皮)と、サボテンやりんごの皮など植物性の原料から作られる天然素材のヴィーガンレザーがあります。
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ウェイストレス
「ウェイストレス(wasteless)」とは、「無駄(waste)」なものを「なくす(less)」という概念です。取り組み例の1つとして、オーガニックコットンが挙げられます。
オーガニックコットンは、一般的な綿(コットン)のように化学肥料や農薬、枯葉剤などはほとんど使用しません。
通常のコットンの栽培では、害虫や雑草を駆除する観点から、化学肥料や農薬、また機械で効率的に収穫を行うために枯葉剤を使用します。そのため、手間をかけることなく大量生産が可能となりますが、土壌汚染や水質汚染、人体への健康被害の観点から問題視されています。
一方、オーガニックコットンは基準以上の化学肥料や農薬などを使用せず、牛糞や魚粉、米ぬかなど自然から作られた有機肥料を主に使用します。また、収穫も自然に葉が落ちるのを待ってから手摘みで1つ1つ丁寧に行います。
関連記事:オーガニックコットンとは?厳しい認証を経て作られる、環境に配慮した素材
CRAFSTOが提供するエシカルな製品について
CRAFSTOでも、エシカルなオリジナル製品を多数販売しています。
リサイクルECOレザー巾着バッグ
廃棄予定の生地などから作られたリサイクルECOレザーを使った巾着バッグです。スルッとした滑らかな手触りと程良い光沢があり、持っているだけでクールなワンポイントに。巾着型だから口元が大きく開き、モノの出し入れもストレスフリー。さらに、紐の長さも調整可能で、クロス掛け、肩掛け、手持ちなど多様な使い方ができます。
アップルレザー&オーガニックコットン トートバッグ
りんごの皮や搾りかすからできたアップルレザーと、やわらかいオーガニックコットンを合わせたシンプルなトートバッグ。オーガニックコットンの染料には天然素材を使用しており、細部までエシカルなアイテムです。バッグ本体には幅広いマチがあり、A4サイズの書類だけでなくノート型パソコンも収納可能。荷物が多い方にもおすすめです。
Future prism ミニショルダーバッグ
床革にカラフルなペイントをプリントした、Future prismシリーズのミニショルダーバッグ。Future prismシリーズとは、LGBTQの若者の自殺防止に取り組むアメリカの支援団体「トレバープロジェクト」を支援するチャリティーコレクションです。Future prismシリーズは、もともと廃棄予定だった床革に日本人アーティストの絵をプリントしたユニークなアップサイクル製品となっています。
斜め掛けや肩掛け、手持ちなどシーンに合わせてストラップの長さを調節できます。スマートフォンや長財布といった必需品が十分に収納できるキャパシティでありながら、かさばらないコンパクトさが魅力のショルダーバッグです。